
本記事には広告リンクが含まれる場合があります。暗号資産は価格変動が大きく、元本割れのリスクがあります。暗号資産の税制、贈与税、所得税、相続税、評価方法、申告ルールは変更される場合があります。実際の申告や税務判断については、国税庁、税務署、税理士などの専門家に必ず確認してください。
この記事でわかること
- 仮想通貨の贈与税とは何か
- 家族間で仮想通貨を送金した場合に税金がかかるケース
- 無償譲渡と自分のウォレット間移動の違い
- 仮想通貨を贈与したときの評価額の考え方
- 贈与する側・受け取る側が残しておきたい記録
3つの重要ポイント
- 仮想通貨を家族や知人に無償で渡すと、受け取った人に贈与税がかかる可能性があります。
- 贈与した人も、贈与時の時価で譲渡したものとして所得税の計算が必要になる場合があります。
- 評価額は原則として贈与時点の時価をもとに考えるため、送金日時・数量・価格の記録が重要です。
仮想通貨の贈与税とは
仮想通貨の贈与税とは、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産を、対価を受け取らずに他人へ渡した場合に、受け取った人にかかる可能性がある税金です。
贈与税は、現金や不動産だけにかかる税金ではありません。
税務上、価値のある財産を無償でもらった場合、その財産は贈与税の対象になり得ます。
暗号資産も、価格があり、売却や交換ができる財産的価値を持つため、贈与により取得した場合は贈与税の対象になります。
たとえば、次のようなケースでは贈与税の確認が必要です。
- 親が子どもにビットコインを送る
- 夫婦間でイーサリアムを無償で移す
- 知人に暗号資産をプレゼントする
- 家族名義の取引所口座へ自分の暗号資産を送る
- 時価よりかなり安い価格で家族に暗号資産を売る
家族間の送金であっても、実質的に財産を無償で移している場合は、贈与に該当する可能性があります。
仮想通貨を家族に送金したら必ず贈与税がかかる?
仮想通貨を家族に送金したからといって、すべてのケースで必ず贈与税がかかるわけではありません。
重要なのは、その送金が「誰の財産を誰に移したものなのか」「対価があるのか」「返済や立替精算なのか」「実質的に贈与といえるのか」です。
| ケース | 税務上の考え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 自分の取引所から自分のウォレットへ送金 | 原則として単なる資産移動 | 本人間の移動である記録を残す |
| 親から子へ無償でBTCを送る | 贈与に該当する可能性が高い | 受け取った側の贈与税、渡した側の所得税を確認 |
| 夫婦間で投資用の暗号資産を移す | 実態により贈与と見られる可能性 | 名義変更・実質所有者の移転に注意 |
| 立替金の返済として送る | 贈与ではない可能性 | 立替内容、金額、返済である証拠を残す |
| 家族に安い価格で売る | 低額譲渡として扱われる可能性 | 時価70%相当額未満での譲渡に注意 |
| 知人に暗号資産をプレゼントする | 贈与に該当する可能性 | 年間の贈与額が110万円を超えるか確認 |
仮想通貨はウォレットアドレスだけを見ると、誰から誰へ送ったのか、なぜ送ったのかが分かりにくい資産です。
そのため、家族間送金であっても、送金の目的、日時、数量、時価、相手との関係を記録しておくことが重要です。
贈与税は誰にかかる?
贈与税は、原則として財産を受け取った人にかかります。
仮想通貨を贈与した場合も、課税対象になるのは基本的に受け取った側です。
たとえば、親が子どもに時価200万円分のビットコインを贈与した場合、子どもがその年に受け取った贈与財産の合計額をもとに贈与税を計算します。
贈与税には、暦年課税の場合、年間110万円の基礎控除があります。
その年の1月1日から12月31日までに受け取った贈与財産の合計額が110万円以下であれば、原則として贈与税はかかりません。
一方で、110万円を超える場合は、超えた部分について贈与税の申告・納税が必要になる可能性があります。
| 年間の贈与額 | 贈与税の考え方 |
|---|---|
| 50万円分の暗号資産を受け取った | 他の贈与がなければ基礎控除内 |
| 100万円分のBTCを受け取った | 他の贈与がなければ基礎控除内 |
| 150万円分のETHを受け取った | 110万円を超える部分について申告が必要になる可能性 |
| 父から80万円、母から80万円を受け取った | 合計160万円で判断するため注意 |
| 現金100万円と暗号資産50万円を受け取った | 合計150万円で判断するため注意 |
注意したいのは、110万円の基礎控除は「贈与してくれた人ごと」ではなく、「受け取った人ごと」に1年間で判断する点です。
父から100万円、母から100万円を受け取った場合、それぞれ110万円以下だから非課税と考えるのではなく、受け取った人が1年間にもらった合計額200万円をもとに判断します。
仮想通貨を贈与した側にも税金がかかる?
仮想通貨の贈与で特に注意したいのが、贈与した側にも所得税の計算が必要になる場合がある点です。
現金を贈与する場合、通常は渡した側に所得税はかかりません。
しかし、暗号資産の場合は、値上がりした仮想通貨を無償で渡すと、税務上は贈与時の時価で譲渡したものとして扱われます。
そのため、贈与した人は、取得価額と贈与時の時価との差額について、所得税の計算が必要になる場合があります。
| 項目 | 現金の贈与 | 仮想通貨の贈与 |
|---|---|---|
| 受け取った側 | 贈与税の対象になる可能性 | 贈与税の対象になる可能性 |
| 渡した側 | 通常、所得税は問題になりにくい | 贈与時の時価で譲渡したものとして所得税の計算が必要になる場合がある |
| 評価の基準 | 金額が明確 | 贈与時点の時価を確認する必要がある |
| 記録の重要性 | 振込記録など | 送金履歴、時価、取得価額、数量の記録が重要 |
たとえば、50万円で購入したビットコインが、贈与時に200万円まで値上がりしていたとします。
このビットコインを家族に無償で渡した場合、受け取った家族には200万円分の贈与を受けたものとして贈与税の確認が必要になります。
さらに、贈与した側も、50万円で取得した資産を200万円で譲渡したものとして、差額150万円について所得税の計算が必要になる場合があります。
「お金を受け取っていないから税金はかからない」と考えると、申告漏れにつながるおそれがあります。
仮想通貨の評価額はいつの価格で見る?
仮想通貨を贈与した場合、評価額は原則として贈与時点の時価をもとに考えます。
ビットコインやイーサリアムのように、国内外の取引所で継続的に価格が公表されている暗号資産は、贈与時点の取引価格をもとに評価するのが基本です。
国税庁の考え方では、活発な市場が存在する暗号資産については、納税義務者が取引を行っている暗号資産交換業者が公表する課税時期の取引価格により評価します。
購入価格と売却価格がそれぞれ公表されている場合には、納税義務者が暗号資産を交換業者に売却する価格、つまり売却価格で評価して差し支えないとされています。
| 確認する項目 | 内容 |
|---|---|
| 贈与日時 | いつ暗号資産を送金したか |
| 数量 | 何BTC、何ETHなどを送ったか |
| 時価 | 贈与時点の取引価格はいくらか |
| 円換算額 | 日本円でいくら相当か |
| 利用した取引所 | 評価に使った価格の根拠 |
| 送金目的 | 贈与、売買、貸付、返済、立替精算など |
仮想通貨は価格変動が大きいため、同じ数量でも、送金した日や時間によって評価額が大きく変わることがあります。
特に高額な暗号資産を送る場合は、送金時点の価格が分かる資料を残しておきましょう。
活発な市場がない仮想通貨を贈与した場合
ビットコインやイーサリアムのように取引量が多い暗号資産であれば、取引所価格をもとに評価しやすいです。
一方で、流動性が低いトークン、上場直後の銘柄、取引所で価格が安定して確認できない暗号資産などは、評価が難しくなります。
活発な市場が存在しない暗号資産については、客観的な交換価値を示す一定の相場が成立していないため、その暗号資産の内容や性質、取引実態などを踏まえて個別に評価する必要があります。
このようなケースでは、自己判断だけで評価額を決めるのではなく、税理士や税務署に相談した方が安全です。
無償譲渡と低額譲渡の違い
仮想通貨をタダで渡す場合は、無償譲渡、つまり贈与に該当する可能性があります。
一方で、時価よりも著しく安い価格で家族や知人に売る場合は、低額譲渡として扱われる可能性があります。
| 区分 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 無償譲渡 | 対価を受け取らずに仮想通貨を渡す | 受け取った側の贈与税、渡した側の所得税を確認 |
| 低額譲渡 | 時価の70%相当額未満で仮想通貨を売る場合など | 実際の売却額に加え、時価70%相当額との差額を総収入金額に算入する場合がある |
| 通常売買 | 時価に近い価格で売買する | 売却益が出れば所得税の対象 |
| 本人間の移動 | 自分の口座・ウォレット間で移動する | 贈与ではないことを説明できる記録が必要 |
たとえば、時価100万円のビットコインを45万円で家族に売った場合、税務上は45万円で売っただけとは見られない可能性があります。
国税庁の取扱いでは、時価の70%相当額未満で譲渡した場合、実際の売却額に加えて、時価70%相当額との差額を総収入金額に算入する考え方が示されています。
「家族だから安く売った」「現金は少ししか受け取っていない」という事情があっても、税務上は時価を基準に考える場面があります。
仮想通貨は価格変動が大きいため、贈与や低額譲渡を行う前に、課税関係を確認しておきましょう。
家族間送金でよくある注意点
家族間の仮想通貨送金では、本人たちの感覚では「ちょっと移しただけ」「あとで返してもらうだけ」と考えていても、税務上は贈与や譲渡と見られる可能性があります。
特に次のようなケースでは注意が必要です。
- 親が子どもの将来のために暗号資産を送る
- 夫婦間で投資用の仮想通貨を移す
- 家族名義の取引所口座に自分の暗号資産を送る
- 値上がりした暗号資産を無償で譲る
- 時価よりかなり安い価格で家族に売る
- 複数回に分けて暗号資産を送る
- 送金理由の記録を残していない
仮想通貨はブロックチェーン上に送金履歴が残りますが、それだけでは「贈与なのか」「貸付なのか」「立替金の精算なのか」までは分かりません。
家族間だからこそ、後から説明できるように記録を残すことが大切です。
贈与税の計算イメージ
贈与税は、暦年課税の場合、その年の1月1日から12月31日までに受け取った贈与財産の合計額をもとに計算します。
基本的な流れは次のとおりです。
- 1年間に受け取った贈与財産の合計額を出す
- 基礎控除110万円を差し引く
- 残った金額に贈与税率をかける
- 控除額を差し引いて税額を計算する
たとえば、1年間に時価200万円分の仮想通貨だけを贈与された場合、基礎控除110万円を差し引いた90万円が贈与税の計算対象になります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 贈与された仮想通貨の時価 | 200万円 |
| 基礎控除 | 110万円 |
| 課税対象の金額 | 90万円 |
実際の税額は、贈与者との関係や受贈者の年齢、一般税率・特例税率のどちらが適用されるかによって変わります。
父母や祖父母などの直系尊属から、一定年齢以上の子や孫が贈与を受ける場合は、特例税率が使えるケースがあります。
一方、兄弟姉妹、配偶者、友人などからの贈与では、一般税率が使われます。
相続時精算課税を使えば仮想通貨の贈与税は不要?
親や祖父母から子や孫へ財産を贈与する場合、相続時精算課税という制度を選べるケースがあります。
相続時精算課税を選択すると、一定の基礎控除や特別控除を利用できるため、大きな財産を生前に移しやすくなる場合があります。
ただし、相続時精算課税は、将来の相続税計算と関係する制度です。
一度選択すると、その贈与者からの贈与については原則として暦年課税に戻れないなど、慎重に判断すべき点があります。
また、仮想通貨は価格変動が大きいため、贈与時の評価額と将来の価格が大きく変わる可能性があります。
制度名だけを見て「贈与税が不要になる」と判断せず、税理士に相談したうえで検討しましょう。
仮想通貨の贈与で残しておきたい記録
仮想通貨の贈与では、後から税務署に説明できる記録を残すことが重要です。
特に、家族間送金は贈与、貸付、返済、立替金精算などの区別があいまいになりやすいため、送金の根拠を整理しておきましょう。
- 贈与契約書
- 送金日時
- 送金数量
- 送金元・送金先のウォレットアドレス
- 利用した取引所名
- 贈与時点の円換算額
- 価格を確認した取引所のスクリーンショット
- 取得価額が分かる取引履歴
- 送金手数料の記録
- 家族間での合意内容
贈与契約書は必ずしも難しい形式である必要はありませんが、「誰が」「誰に」「いつ」「何を」「いくら相当で」贈与したのかを明確にしておくことが大切です。
また、暗号資産は取引履歴の管理が重要です。国内取引所を使う場合でも、年間取引報告書や入出金履歴、送金履歴を自分で保存しておきましょう。
仮想通貨を贈与する前に確認したいチェックリスト
仮想通貨を家族や知人に渡す前に、次の点を確認しておきましょう。
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 送金目的 | 贈与、売買、貸付、返済、立替精算のどれか |
| 贈与額 | 年間110万円を超えるか |
| 他の贈与 | 同じ年に現金や株式などの贈与を受けていないか |
| 評価額 | 贈与時点の時価を確認できるか |
| 取得価額 | 贈与した側の利益計算ができるか |
| 申告の必要性 | 受け取った側・渡した側の申告が必要か |
| 記録 | 送金履歴、価格、契約書を残しているか |
| 専門家確認 | 高額な場合は税理士に相談したか |
特に、高額なビットコインやイーサリアムを家族に移す場合、贈与税だけでなく所得税や将来の相続税にも影響する可能性があります。
仮想通貨の贈与でよくある誤解
| 誤解 | 正しい考え方 |
|---|---|
| 家族に送るだけなら税金はかからない | 無償で財産を移せば贈与税の対象になる可能性があります。 |
| 110万円以下なら必ず申告不要 | 他の贈与との合計や相続時精算課税の選択状況を確認する必要があります。 |
| 贈与した側はお金を受け取っていないから非課税 | 仮想通貨は贈与時の時価で譲渡したものとして所得税の計算が必要になる場合があります。 |
| 送金履歴がブロックチェーンにあるから十分 | 送金目的や時価、取得価額までは分からないため、別途記録が必要です。 |
| 海外取引所の価格なら税務署に分からない | 国内外の取引所利用にかかわらず、申告が必要な取引は適切に申告する必要があります。 |
この記事を読んだ後にやること
仮想通貨の贈与では、「家族間だから大丈夫」と考えるのではなく、税務上の扱いを確認することが大切です。
特に、値上がりした暗号資産を贈与する場合は、受け取った側の贈与税だけでなく、渡した側の所得税にも注意しましょう。
- 送金が贈与なのか、本人間の移動なのか、売買なのかを整理する
- 贈与時点の暗号資産の時価を確認する
- 1年間に受け取った贈与額の合計を確認する
- 110万円を超える場合は贈与税の申告を検討する
- 贈与した側の取得価額と贈与時の時価を確認する
- 送金履歴、価格根拠、贈与契約書を保存する
- 高額な場合や判断に迷う場合は税理士に相談する
これから仮想通貨を保有する場合は、購入時の価格、売却履歴、送金履歴を確認しやすい取引所を選ぶことも大切です。
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FAQ
仮想通貨を家族に送ると贈与税はかかりますか?
無償で仮想通貨を家族に渡した場合、受け取った側に贈与税がかかる可能性があります。年間110万円の基礎控除がありますが、他の贈与も含めた合計額で判断する必要があります。
自分の取引所から自分のウォレットへ送金した場合も贈与税がかかりますか?
自分名義の取引所から自分のウォレットへ送るだけであれば、通常は贈与ではなく単なる資産移動と考えられます。ただし、本人間の移動であることを説明できるように、取引履歴やウォレット情報を残しておくことが大切です。
仮想通貨を贈与した側にも税金がかかりますか?
かかる可能性があります。個人が暗号資産を贈与した場合、贈与時の時価で譲渡したものとして、取得価額との差額について所得税の計算が必要になる場合があります。
贈与税の110万円は、贈与してくれる人ごとに使えますか?
いいえ。暦年課税の基礎控除110万円は、贈与を受けた人ごとに1年間で判断します。複数人から贈与を受けた場合も、合計額から110万円を差し引いて計算します。
仮想通貨の贈与額はいつの価格で計算しますか?
原則として、贈与時点の時価をもとに評価します。活発な市場がある暗号資産は、取引を行っている暗号資産交換業者が公表する課税時期の取引価格をもとに評価します。
ビットコインを少しずつ毎年渡せば贈与税はかかりませんか?
毎年の贈与額が110万円以下でも、他の贈与との合計や贈与の実態によって判断が必要です。また、将来の相続税計算に影響する場合もあるため、高額な資産移転を計画的に行う場合は専門家に相談しましょう。
海外取引所やウォレットを使った贈与でも申告は必要ですか?
国内取引所か海外取引所かにかかわらず、日本の税務上、申告が必要な贈与や所得が発生している場合は適切に申告する必要があります。海外取引所や自己管理ウォレットを使う場合は、取引履歴や価格情報を自分で保存しておくことが重要です。
仮想通貨を時価より安く家族に売った場合はどうなりますか?
時価の70%相当額未満で譲渡した場合、低額譲渡として税務上の問題が生じる可能性があります。実際の売却額だけでなく、時価70%相当額との差額を総収入金額に算入する場合があるため、事前に確認しましょう。
参考資料・出典
本文は、以下の公的資料を中心に2026年6月時点で確認しています。暗号資産の税制、贈与税、所得税、相続税、評価方法は変更される可能性があるため、公開前にも最新情報を確認してください。
- 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」
- 国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(情報)」
- 国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」
- 国税庁「贈与税の申告等」
- 国税庁「No.4410 複数の人から贈与を受けたとき」
- 国税庁「No.4103 相続時精算課税の選択」
更新履歴
- 2026年6月10日:暗号資産の贈与税、家族間送金、無償譲渡、低額譲渡、評価額、贈与者・受贈者それぞれの課税関係を踏まえて本文、比較表、FAQを作成しました。
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